あなたの常識は通用しない!?世界の変わった法律8個

「ローカルルール」ってどこでも存在しますよね。日本国内の地域でももちろん存在しますし、それよりも小さなコニュニティーでも、ルールの違いに戸惑うことがありますよね。そんな小さな範囲でも存在するローカルルールは、もちろん国ごとにも存在します。そのルールによっては日本では想像もつかないような法律があり、驚くことも多いですね。思わぬトラブルに巻き込まれないために、世界8の驚きの法律を解説します。
旅行が好きな人や、自分の価値観を広げたいと考えている方におすすめです。
あなたな何個知ってる?世界のローカルルール
世界にはあなたがまだ知らないことがたくさんあります。他の人にとっての当たり前は、あなたの当たり前ではないことが、よく理解できる記事だと思います。それと同様に、あなたにとっての当たり前は、他の人にとって当たり前ではないことを理解できる良い機会になると思います。一緒に、一つでも多くのことを知りましょう。
シンガポール:ガムを売ってはいけない!?
1980年~90年代、シンガポールでは、公共住宅エリアや公共の場所でのガムのポイ捨てが問題になっていました。1987年には、大量高速輸送機関(地下鉄)開通後、電車のドアセンサーにガムが貼られ運行に支障をきたす事件が発生します。
そういった事態を受けて、1992年1月ゴー・チョクトン首相によってチューインガムの輸入と販売が禁止されました。
ちなみに、シンガポールへのチューインガムの持ち込みも禁止されています。
2004年3月に、ニコチンガムや口腔用歯科ガムなど医療用ガムについては一部規制が解禁されており、薬局で販売が許可されています。
ただ、ガムのポイ捨てが再び起こる危険性を考慮し、完全な解禁はされていません。この規制は、シンガポールの街がきれいな理由の一つです。
イタリア・ローマ:歩き食べで罰金!?
ローマは「永遠の都」として世界中から多くの観光客がおしよせる都市です。そのため観光スポットではゴミが散乱する問題が深刻化しており、週末ともなると、スペイン階段やトレヴィの泉などの有名な観光スポットには大量のゴミが放置されていました。古代遺跡や歴史的建造物は非常にデリケートで、食べ物や飲み物による汚染や劣化が懸念されていたこともあり、スペイン階段、トレヴィの泉、パンテオンなど主要な歴史的建造物や遺跡周辺などの周辺での飲食を2019年に規制します。
飲食だけでなく、大声を出すことや寝そべること、噴水への硬貨以外の物を投げ入れる行為も禁じられています。
違反者は罰金を支払わなくてはいけません。
フィレンツェやベネチアでも同様の法律が施行されています。これらは文化遺産を未来に残すために不可欠な取り組みで、イタリアが自国の長い歴史を大切にしていることが分かります。
フランス:顔を覆う洋服は着てはいけない!?
フランスでは、公共の場所で顔を覆う衣服の着用が禁止されています。通称「ブルカ禁止法」は、2010年10月11日に制定され、2011年4月11日に施行されました。
顔を覆うことで身元確認を困難にし、テロ対策や犯罪防止の観点から公共の安全にリスクをもたらすとされました。また、ブルカやニカブは女性抑圧の象徴と見なされることがあり、これらを禁止することで女性の自由や平等を促進する狙いもあります。しかし、宗教的自由や表現の自由への侵害との指摘もあり、特にイスラム教徒からは強い反発がありました。2018年、国連自由権規約人権委員会も、この法律が宗教の自由と非差別原則に反するとして批判しましたが、そういった批判の声がある中でも、ベルギー、オーストリア、ブルガリアなどでも同様の規制が導入されました。この運用に対しての議論はまだ続いていますが、フランスの世俗主義、ジェンダー平等という価値観が表れており、国民性を知るための一つになっています。
アラブ首長国連邦:観光客も注意の服装ルール
アラブ首長国連邦(UAE)は、イスラム教を国教とする国家であり、公共の場での服装はイスラム文化や宗教的価値観を尊重することが求められます。イスラム文化において、肌の露出を控えることは、男女問わず礼儀やモラルとして重視されており、UAEでは、公共の場での過度な肌の露出を控えることが求めらます。法律として明確に定められているものではなく強い推奨事項として存在しており、国民だけではなく観光客も適切な装いをすることが求められます。
公共の場では、肩と膝を覆う服装が推奨されています。女性は胸元が開いた服やタイトな衣類を避けるべきとされており、男性は短パンやノースリーブシャツなど肌を露出する服装は控えるべきとされています。宗教施設(モスク)では、女性は髪を覆うスカーフ(ヒジャブ)を着用し、首から手首・足首まで隠れる服装(アバヤなど)が必要です。ビーチやプールでの水着や、観光地やホテルなどでのカジュアルな服装を許可されるエリアもあると同時に、シャルジャなどの保守的な地域では、違反者に対して罰金が科せられる場合もあります。
服装規定が文化や宗教的価値観を反映しており、UEAでは宗教が優先されるものとして存在していることが分かります。
イタリア・サルデーニャ島:砂持ち帰れません!
サルデーニャ島は白砂の美しいビーチで有名で、多くの観光客が訪れます。その美しさから一部の観光客が砂や小石、貝殻を「お土産」として持ち帰る行為が頻発し、環境破壊が問題になりました。数トンもの砂が持ち去られるケースが報告されており、空港で砂や石を詰めた容器やボトルが没収されることもたくさんあるそうです。
サルデーニャ島の砂浜は非常に繊細な生態系を持っており、砂の持ち出しが生態系へ大きく影響を与えてしまいます。このため、”公共財”として砂を保護するため、ビーチの砂、石、小石、貝殻を持ち出すことを禁止する法律を2017年に制定しました。
違反者は500~3000ユーロ(約7万円~45万円)の罰金が科せられます。持ち出した量や、持ち出しの意図、持ち出し場所(特別保護区域など)などにより罰金額が決定されるようです。特に悪質な場合は”加重窃盗罪”として処罰される可能性があり、最大6年の禁錮刑が適用される場合があります。
美しい自然環境を未来に残すため国が懸命に取り組んでいることが分かる法律です。
ケニア:プラ袋が製造もできない!?
ケニアではプラスチック袋が大量に使用されていたにも関わらず適切な破棄がされなかったために都市や農村部で深刻な環境汚染が発生していました。特に排水路や川がプラスチック袋で詰まることで、洪水が頻発していました。他にも、牛がプラスチック袋を誤飲し死亡する事件も起こっており、牛が経済的にも重要な資源であるケニアで、こういった事故は農業や畜産業にも大きな被害をもたらします。
プラスチック袋の規制は他の国でも行われていますが、ケニアはプラスチック袋の製造、輸入、包装、使用をも全面的に禁止しています。この法律は2017年に施行されていますが、2020年からは自然保護区域内での使い捨てプラスチック製品の使用も禁止になり、ペットボトルやプラスチック製カップ、カトラリーなどの持ち込みも認められません。違反した場合、200万~400万ケニア・シリングの罰金、または1~4年の懲役、もしくはその両方が科せられ、ケニアは「世界一厳しいプラスチック袋禁止法」を施行した国として注目されます。
プラスチック袋の製造も規制対象となるため、製造業者170社の経営、約6万人規模の失業者が出るとして、反対の声が上がっていました。環境活動家や市民団体による活動が、この規制を後押しし、法律が施行されました。
この法律で、ケニアは年間62億枚以上のプラスチック袋削減に成功したと言われています。
この法律は環境保護だけでなく、市民意識の向上や、国の国際的な評価にもつながっています。密輸問題や代替品開発など、依然として解決すべき課題も残されていますが、ケニアが国際社会において一つの地位を築いた成功例と言えるでしょう。
ドイツ:ガス欠で罰金
ドイツの主な高速道路はアウトバーンと連邦道路の二つで構成されています。アウトバーンでは多くの区間で速度制限が設けられておらず、より速い移動が可能な高速道路です。連坊道路は、制限が設けられておりアウトバーンより低速での走行が求められます。連邦道路は都市間を結ぶ大切な道路ですが、アウトバーン程高速走行に適した設計になっていません。アウトバーンは基本的にスピードを出した走行をすることが多いため、アウトバーン上での停車が原則として禁止されています。
この停車はガス欠でも罰則になり、ガス欠は運転者の過失とみなされます。
もちろん体調不良や車の故障など、やむを得ない理由がある場合は違反にはなりません。
アウトバーンでは最低速度が60km/hで設けられており、アウトバーン上で安全で円滑な交通を維持する目的で、このルールが設けられています。
これは日本の高速道路でも同様の違反ルールがあるため分かりやすいですね。おそらく他の多くの国でも違反事項でしょう。
また、アウトバーンに限らずドイツ国内では、マスクを着用して車を運転することが推奨されていません。顔の認識ができない状態で車を運転することが禁止されています。
スイス:日曜日には洗濯禁止!?
スイスでは日曜日の洗濯が禁止されています。これは、宗教的な伝統と社会的な慣習に基づいています。
キリスト教信者が多いスイスでは、安息日とされている日曜日は大きな音を出す家電を使用しないという一般的なルールがあります。洗濯だけでなく芝刈りや掃除機なども推奨されていません。
スイスのアパートでは、棟ごとで洗濯機を使用するのが一般的です。個人で洗濯機を所有しているアパート居住者は多くありません。地下に設置してある洗濯機と乾燥機を、その棟ごとのルールで使用することが一般的です。
これは、スイスの文化や生活様式を反映しており、日本では考えられないルールです。
1970年代、スイス国民の98%がキリスト教徒でしたが、最新のデータでは無宗教が34%になり、カトリック教徒と上回ったと報告されました。現在キリスト教徒の割合は6割弱に減ってきています。今後も下がる見込みが高く、日曜日の洗濯禁止ルールも変わる日がくるのかもしれませんね。
国のルールを知るとその国を知ることができる
法律は、各国の文化や価値観、社会的課題を反映しています。海外渡航の際は、訪問先の法律や慣習を事前に調べ、尊重することが大切です。現地の法律を尊重しながら、その文化を享受できるような渡航経験にすることで、自分の視野を広げることができますね。
留学準備の段階から、文化庁や外務省の海外安全HPで情報収集し、安全に他国の文化を楽しみましょう。
渡航のことで何か不安なことがある方は是非FullFlowにお問合せください。
Categorised in: 留学コラム