留学費用を抑える12の裏技:奨学金から現地生活まで徹底解説
留学は人生を変える素晴らしい経験です。しかし、その費用は多くの人にとって大きな障壁となっています。
円安と世界的な物価高も影響し、年間の留学費用が50~100万程、高くなっている地域もあります。
しかし、適切な戦略と知識があれば、留学費用を大幅に抑えることが可能です。
この記事では、留学にかかる費用を効果的に削減するための12の裏技を徹底的に解説します。
奨学金の活用から現地での生活費節約まで、幅広い視点で紹介するので、現在留学しているお金を節約したい学生さんにも必見です。
留学費用は事前の計画と工夫次第で大幅に抑えることができます。充実した留学生活を送るためにも、十分に対策を行いましょう。
留学の費用
実は留学を悩まれる方の一番の悩みが”お金”の問題です。日本からの留学で人気が高いアメリカですが、物価高騰に伴い、学費もかなり高くなっています。実際、アメリカのボーディングスクール(全寮制の私立校)に通っていた学生さんで、費用が払えなくなり帰国される生徒さんがここ近年増えてきました。実際、現地での生活費も高くなっており、長期の留学を考える場合は、先をみすえた費用計画が必要になることが分かります。
費用は本当に節約できるのか
留学の費用は確かに高額になりがちですが、適切な節約策を講じれば大幅に抑えることができます。お金の問題は生徒さんが一人で担われる場合もありますが、親御さんが支払いを担う場合も多く、どうしても負担を減らしたいと思う方がほとんどです。
「費用を理由に留学を諦めるのは非常にもったいないことです」と皆さまにお伝えしています。留学に行きたいと感じたことが、とても大きなチャンス。この良いチャンスをお金の問題だけで諦めることがないよう、いつも伝えている情報です。実際に、本記事で紹介する方法を実践して、留学を実現させた生徒さんもたくさんいらっしゃいます。
12個の裏技とは?
この記事では、留学費用を少しでも抑えるための12の方法をお伝えいたします。
留学を検討している人は必見です!
奨学金を最大限に活用する
奨学金は、留学費用を大幅に節約する最も効果的な方法の一つです。成績優秀者向けの奨学金や、特定の分野に特化した奨学金など、さまざまな種類があります。応募条件や締め切りを確認し、積極的に応募しましょう。
1.国内の奨学金を探す
まずは、文部科学省の「日本学生支援機構(JASSO)」や各大学が提供する奨学金制度を調査しましょう。これらの奨学金は給付型のことが多く、競争率が高い場合がありますが、申請の価値は十分にあります。
2.留学先の奨学金を狙う
多くの海外大学や政府機関が、留学生向けの奨学金を提供しています。学費や生活費を支援するものが多く、各国の交流を目的とした制度であることがほとんどです。
以下に、いくつかの国とその奨学金プログラムを紹介します。
アメリカ
フルブライト奨学金
アメリカ政府が提供する政府奨学金で、海外からの学生に対して学費や生活費を支援します。特に、学術的な交流を促進することを目的としています。
イギリス
イギリス
チーヴニング奨学金
英国外務省とパートナー機関が設立した奨学金プログラムです。大学院修士課程に留学する方を対象とし、授業料や生活費、渡航費など様々な資金をサポートしてくれます。留学後もチーヴニングネットワークというコミュニティに入ることができ、横のつながりを持つことができます。
アイルランド
アイルランド政府奨学金
アイルランド政府が提供する奨学金で、修士、博士課程の留学生を対象としています。給付期間は一年間で、1万ユーロの奨学金と授業料・登録料が免除されます。
イタリア
イタリア政府奨学金
イタリア政府は、イタリア国内の国立大学・美術学院・音楽院・研究所など、政府が認める教育・研究機関に留学する日本人を対象に奨学金を給付しています。
対象の分野は、人文科学、社会科学、自然科学及び芸術(美術、音楽等)で、9カ月間に月1.000ユーロのサポートを受けることが可能です。
オーストリア
オーストリア政府給費留学制度
オーストリア政府が提供する奨学金で、人文科学、社会科学、自然科学、芸術(音楽の実技は除く)が対象分野です。大学生及び大学院生等には月額1150ユーロ、博士号保持者(30歳以上)には月額1250ユーロが最高9か月支給されます。1回のみ延長申請も可能です。旅費も1500ユーロを上限に実費を支給しています。語学試験や成績のスコア提出が不要ですが、十分なドイツ語の能力を持っている必要があります。
オランダ
オランダ政府奨学金
オランダ政府教育省および、オランダの各種大学が、ヨーロッパ圏以外からの学部生・大学院生を対象とした奨学金です。最大で 5,000ユーロが支給されます。
スイス
スイス政府奨学金
スイス政府が提供する奨学金で、対象者は、芸術専攻、研究員、ドクター、ポストドクター研究者です。月額1,920スイスフラン、ポスドクは月額3,500スイスフラン給付されます。授業料は原則免除で、帰国旅費、疾病・傷害保険付(歯科除く)が1学年間支給されます。
上記以外にもスペイン、スロバキア、チェコ、ドイツ、ハンガリーなどいろいろな国で奨学金制度があります。フルブライト奨学金やチーヴニング奨学金など、奨学生になるだけで箔がつくような奨学金制度もあります。いずれも易しい条件の奨学金はありませんが、情報をチェックすることをおすすめしています。
3. 民間団体の奨学金を活用する
ロータリー財団や各種財団が提供する奨学金も見逃せません。これらは特定の分野や目的に特化していることが多いので、自分のプロフィールに合うものを探しましょう。
ロータリー財団
ロータリー財団は、国際ロータリーの慈善部門として機能している非営利団体です。完全寄付により成り立っており、寄付金を元に、世界中で奉仕活動を行っています。2種類の奨学金制度があり、グローバル補助金奨学金と地区補助金の2種類です。
グローバル補助金奨学金
グローバル補助金による奨学金は、海外大学院への留学に使うことができ、以下の重点分野のいずれかに該当する分野を専攻することが条件となります。
1. 平和と紛争予防/紛争解決
2. 疾病予防と治療
3. 水と衛生
4. 母子の健康
5. 基本的教育と識字率向上
6. 経済と地域社会の発展
7. 環境の保護
奨学金の期間は1~4年にわたり、学位取得を含むものもあります。グローバル補助金による奨学金は、地区財団活動資金(DDF)、現金、および冠名指定寄付と基金からの収益を活用して資金を調達します。財団は、DDF寄贈に対して国際財団活動資金(WF)から80%の上乗せを提供します。
地区補助金
地区補助金の場合、学校のレベル(高校、大学、大学院)、専攻分野、国内・海外など、クラブが条件を設定できます。奨学金の期間も、短期の語学研修から、1年間以上の海外留学までさまざまです。
グローバル補助金奨学金の方が、支給額が多く支給年数も長く、手厚い条件ですが、その分、分野が限られており、留学先もかなり限定されます。地区補助金は、支給額、支給年数ともに劣りますが、専攻や学校の選択肢が広く、多くの人にハマる条件だと思われます。
また、奨学金とは少し変わりますが、”ロータリー青少年交換プログラム”という交換留学制度もあります。15~19歳を対象としたプログラムで、宿泊費、食事代、学費はロータリーが負担してくれます。
佐藤陽国際奨学財団奨学金
公益財団法人佐藤陽国際奨学財団が行っている奨学金制度。日本人を対象とした奨学金は、派遣留学奨学金と大学院進学支援〈あくなき探求〉奨学金の2つがあります。そちらも、金額が高く、生活費をカバーできる可能性が高い。その分、条件が限られており、指定大学からの推薦を受ける必要がある。
派遣留学奨学金
対象国の大学に交換留学を希望する日本人学生に対して奨学金及び渡航費用等を支給。派遣協定大学から推薦を受けた学生が選考対象。
給付額:月額100,000円
(留学先がシンガポールの場合は月額180,000円)
※渡航費:250,000 円・一時金:150,000 円
※保険料:実費(ただし、上限額150,000円)
対象国:18か国
支給期間:満6ヶ月以上12ヶ月以内
派遣協定大学:指定あり
大学院進学支援〈あくなき探求〉奨学金
関東7都県の指定大学より推薦を受けた大学院修士課程に進学する日本人学生が対象。
給付額:月額120,000円
※進学準備金:48万円
※授業料等補助金:年額100万円上限
※学会出席補助金:年額20万円上限(前年度未受給分の繰越し可)
※自宅外補助金:月額3万円上限
支給期間:修士標準課程修了までの期間
平和中島財団奨学金
給付額:月額100,000円
特徴:学部生から大学院生まで幅広く対象としている
長谷川留学生奨学財団奨学金
給付額:月額100,000円(学部生)、120,000円(大学院生)
特徴:国籍や学年に制限があるが、金額が比較的高い
アジア留学生奨学財団奨学金
給付額:月額50,000円
特徴:アジアからの留学生を対象としており、文科系学部3年生が対象
留学先の選択を戦略的に行う
4. 物価の安い国を選ぶ
アメリカやイギリスなどの人気留学先は物価が高い傾向にあります。東欧や東南アジアなど、比較的物価の安い国を選ぶことで、大幅に費用を抑えられます。
以下の留学先が物価も安く人気がある国です。
東南アジア
タイ・ベトナム
中東・中央アジア
トルコ・ジョージア
東ヨーロッパ
ポーランド・ハンガリー・ルーマニア
南米
メキシコ・アルゼンチン
5. 授業料の安い大学を探す
同じ国の中でも、選ぶ大学によって授業料に大きな差があります。アメリカでは、学費が安い学校と高い学校では数万ドル以上の差がつくことがよくあります。他の国でも州立大学や公立大学は私立大学よりも一般的に授業料が安い傾向があります。
例:アメリカの場合
州立大学(州外学生や留学生): 年間授業料16,000ドル〜25,000ドル程度。
私立大学: 年間授業料40,000ドル〜60,000ドル以上。
コミュニティカレッジ: 年間授業料5,000ドル〜10,000ドル程度。
上記を見ても、一般的な学費は私学が飛びぬけて高いことが分かります。
ただ、留学の時は奨学金制度なども利用できる場合があるため、留学エージェンシーに相談することをおすすめします。
6. 交換留学プログラムを利用する
海外の大学と交換留学プログラムを結んでいる日本の大学も数多くあります。この制度を利用すれば、自大学の授業料のみで留学できる場合があります。
交換留学をすることを目的に大学を選ばれる生徒さんも、かなりいらっしゃいます。
渡航費を抑える
7. LCCを利用する
格安航空会社(LCC)を利用することで、渡航費を大幅に削減できます。ただ1往復の利用、と思われるかもしれませんが、日本へ一時的に帰国したり、保護者が現地へ行く可能性もあるため、1度の渡航費を抑えておくことで、最終的に大きな差が出てくる場合が多いです。
ただし、荷物の制限や乗り継ぎに注意が必要です。
8. マイレージを活用する
クレジットカードのマイレージを貯めて、航空券に交換することも一つの手段です。マイルの積算率が高いクレジットカードを選んだり、電子マネーでもマイルを貯められるものもあります。知らない間にマイルがかなりたまっていることもありますよ。
9. オフシーズンに渡航する
観光シーズンを避けて渡航することで、航空券の価格を抑えられます。大学の学期開始直前は混雑する場合が多いので、時間に余裕がある且つ現地での宿泊費用の問題を解決できれば、少し早めに渡航するのも一案です。
早めに渡航することで学校生活のスタートまでに、少し現地に慣れることが出来るのもメリットです。
現地での住居費・食費を節約する
10. ホームステイを選択する
ホームステイは、食事付きで現地の文化に触れられるメリットがあります。また、アパートを借りるよりも一般的に安価です。
外食を選ぶことが減るため、物価が高い国では、特にお金を節約しやすくなります。
もちろんホームステイ先と食事関係でトラブルがある可能性もあるため、事前にステイ先の情報を確認できる方が安心です。
11. 寮がある学校を選ぶ
大学の寮は立地が良く、管理費や光熱費が含まれていることが多いため、余分な出費を抑えられる傾向があります。
また、勉強に集中できるような環境が整っており、勉強以外の誘惑に触れる機会が少ないことも、結果出費を抑えられることが多いようです。
12. 食費を抑える
外食を控え、自炊を心がけることで、食費を大幅に削減できます。週末にまとめ買いをするなど、買い物の機会を減らすことで買い物の量のコントロールができます。
また、大学の学食は一般的に安価で栄養バランスも良好であることが多いため、学食を利用するのも良い方法です。
事前のリサーチをしっかり!
留学費用を抑えるためには、徹底的なリサーチが必要です。留学の条件は年々変わるため、より最新の情報を持っている学校であったり、留学代理店に相談をすることをおすすめします。
留学にかかる費用はたいへん大きな額であるため、どうしても費用を条件に考えがちになりますが、留学の本質的な目的を見失わないように選択をすることを忘れてはいけません。文化交流、語学力の向上、そして経験を得ることが、留学の真の価値です。賢明な費用管理と充実した留学生活の両立を目指してみてください。
あなたの留学ライフが充実したものになることを願っています。
Categorised in: 留学コラム